2011年07月14日
バンのいた日々12.
一緒にいるから2.
自分を取り巻く世界が変わって、なんだか優しくなったように、少女は感じていました。ほんとのところは世界が変わったのではなく、彼女が変わったから周りの反応が変化したのです。
バンと一緒にいると、子供たちが寄ってきます、ボール遊びもバンと皆で一緒にしました。”ニィブゥタァー”と苛められることもなくなりました。弟や妹の面倒も時々見るようになりました。母親が忙しい時には、代わりに買い物に行ったり、洗濯をしたりと、手伝いもよくするようになりました。”お母さんはわたしに優しくなった”と少女は思いました。
一日の中で最も大切なのが、バンと一緒に配達した後、公園やパーラーでお話しする時間です。少女は学校での出来事を”彼”に報告します。話が尽きると背中を撫でながら、「ありがとうね」と最後に言います。
お母さんから、お手伝いのご褒美にお小遣いを貰いました。パーラーで氷ぜんざいを頼みました。少女は氷は好きですがお餅が苦手でした。残した餅はバンに食べてもらいました。彼女の人生で一番に幸せな、ひと時でした。
Posted by にーぶやー at 00:09│Comments(0)
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